「普通の質問」のコーナーに、森さんという方から1件のメールをいただきました。
「普通の質問」のコーナーで紹介しようと思いましたが、考えるべきテーマだと思い新コンテンツを立ち上げ、ここに紹介することにしました(森さん、返信したのですがエラーになってメールが送れませんのでこの場を借りて返事を書きました。承諾を得ていないので苗字だけの紹介とします)。
皆様も、「雷魚の釣り方」に対する意見がある人は、このコーナーへ投稿してください。
*投稿者の名前も一緒に載せますので、本名がいやな人はハンドルネームを一緒に送ってください。
*大雑把でいいので、住んでいる場所も教えて欲しいです。
*個人名を批判する投稿はご遠慮ください。または、私が判断して公開しない場合もあります。
*このテーマに対してのご意見はお問い合わせでのみ受け付けます。
直接お店に言いに来たり、電話でのご意見はご遠慮ください。
森 さんのメール 今年の春に海部郡の用水でフロッグでサイトフィシングをしていたら「でんでんまる」の常連に横から「タドポール」を投げられあたまにきました。フロッグで釣れるのに何故アンダーなのですか?何処の用水や川でもフロッグで釣れる時期(短いところもあるが)があります。
たとえオープンでもフロッグで釣れるのにアンダー系を投げるんであれば益々ライギョを傷つけることになるんじゃないかな?いくら「水を抜いた用水のライギョを救出」しても、あなたがたのやっていることは大きく矛盾している。1年中バイブやクランクを引いているのはライギョゲームと呼べるのかな?ちょっと考えてもらいたいです・・
(でんでん丸の返事)
メール有り難うございました。でんでん丸です。
でんでんまるは、特別にアンダーを推奨しているわけではありません。(店内には大量にフロッグがあります。常連さんの中にもフロッグオンリーの方もいます。フロッグのチューニングも、ホームページでも本でも紹介しています。森さんのように、フロッグで釣ることが最高という意見もよく分かります)今現在ライギョアングラーには同じ魚を狙っているのでありながら遠征派、地元派、アンダー派、フロッグ派というように、さまざまな種類の人たちがいて「でんでんまる」とは関係なくタイプによって色々な釣り方をしているアングラーが実際に存在しています。
そんな状況の中で私はホームページのトップページにも書いてあるように、そのすべての人たちの考えを否定しない(当然森さんも含めて)立場にいると考えています。つまり「アンダー専門」=「でんでんまる」というわけではありません。
すべてのアングラーを否定しない。という意味を、詳しく説明しておきます。たとえば私はほとんど遠征しませんが、遠征して釣ったビッグサイズを否定はしません。素晴らしいことだと思います。アンダーの釣りを肯定していますが、フロッグオンリーの釣り人も、気持ちは理解できるし、否定しません。しかし、現在の状況は、考え方やタイプの違うアングラー同士は互いを認め合っていないのが現状です。しかし私個人の考え方としては「ライギョが好き」という共通項のみで、すべての人たちと仲良くしたいし、「でんでんまる」も受け入れたいということなのです。(すべてのアングラーがそうなってくれることが理想)
森さんが、私が本やホームページでアンダーゲームを紹介することに対して訴えているのであれば、紹介した(または紹介している)理由も書いておきます。
決してアンダーの釣りを特別に薦めるためではないことを先に断っておきます。
まずは、アンダーゲームについて説明しましょう。とりあえず、雷魚ダービーが行われていた1970年代~1990年代前半の資料を調べてみてください。アンダー系プラグで釣り上げられた雷魚が数多く紹介されていると思われます。まずここからはるか昔から行われていた釣りだと分かります。
地域によっては、昔からフロッグゲーム中心の場所もあったと思われますが、反対にアンダー中心の場所もあります。例を挙げるならば、海部郡の東部では伊勢湾台風の影響で全国的にも非常に早い時期に護岸工事が行われて、(図書館で海部郡の歴史を調べると載っています)相当昔からオープンエリアでライギョゲームを行うという文化が確立されていました。(実際に70年代から90年代初めまでの雷魚ダービーの結果を調べていただくと、この地域で釣り上げられた雷魚はアンダーのルアーが多いです。83年ごろの護岸されずに原始的なクリークが残っていた七宝町北のエリアは除いて。日本には他にも同じような環境の場所が存在し、同じ文化の場所はあります。)私も、もう20年近くこのエリアのライギョゲームを見ていますので間違いありません。
この地域だけではなく日本全国に似たような環境の場所がいくつか存在します。さらに自分の価値観から、アンダーの釣りを好む人もいます。その人たちも合わせれば、このスタイルのアングラーは凄い人数と思われます。
実際、「でんでんまる」を始めた98年、ご存知のとおりすでにフロッグゲームが確立され、メディアに紹介されていたほとんどの雷魚の情報はヘビーカバーのフロッグゲームのみだった(一部の地方誌を除く)時代だったはずなのに、近くの少年たちはアンダーの釣りをしていました。少年たちだけではなく昔から、このスタイルで完全に護岸されたオープンエリアでブラックバスが全くいない環境で、ルアーのターゲットは雷魚という認識で釣りをしていた大人達も、当然アンダーの釣りをしていました。
先輩から受け継がれてきた少年たち、昔からやっていた大人たち。自分の価値観から、アンダーの釣りを好む人。数え切れないほどこのスタイルの人がいました。逆に雷魚を守るための「強いタックル、強いライン、バーブレスフック」の普及が遅れているアングラーも多数いました。(ちゃんとやっているアングラーもいました。「俺はやっていた」「俺の周りはちゃんとしていた」というメールはご遠慮ください。)なぜなら、あまりにも環境も釣り方も違う環境で育ったアングラーは、「強いロッド、強いライン、というタックルはフロッグの釣りで、俺たちみたいなプラグで釣る場合はナイロンでいいや。」というように、完全に分けて考えるようになっていたと思います。はっきり言って完全に護岸されて、全く藻が無いクリークにブラックバスが全く存在しないという状況にいるアングラーから見れば、メディアを通してみるヘビーカバーのフロッグゲームは全く別世界の釣りにしか見えなかったのでしょう。つまり、メディアがほとんどその釣り方を紹介しなくても、アンダーの釣りがなくなるどころか、悪い状況だったわけです。
たとえば私が「フロッグしか使うな」といっても、「あそこはうるさいから行かん」といって、「でんでんまる」に来ず、先に書いたように「別の釣り」と認識し誰か必ずナイロンライン、カエシ付きフックで行い続けたでしょう。「でんでんまる」から遠く離れた、こんな環境の人達は、いまだに続けている可能性さえあります。(というか具体的には伏せますがそんな地方が実際にあります)今の時点(PE、バーブレスのことを言う)でもうるさいと感じている人もいると思います。
ですから私はまずアンダーの釣りにフタをするのではなくPEライン、バーブレスフックの普及と優しい扱いを子どもたちに教えました。(実際に、「でんでんまる」が出来てから、強いライン、バーブレスフック、優しい扱いの子が増えたという声も多数聞きますし、増やしたと自負しております。大人の人で雷魚を再開した人で、子どもの頃から扱いが悪く、そのままだった人も、「でんでんまる」に来て扱いが良くなった。という人もいます。)
この状況を見て、1つのフィールド(またはエリア)で釣る魚を1~2匹ぐらいにしてバーブレスフックにPEライン、やさしい雷魚の扱いを守れば、どちらの釣り方の人も思い思いのゲームをし、尚かつ雷魚のダメージを最小限に抑えつつ末永くライギョゲームを楽しめるのではないだろうかと考えました。
そのためにフロッグゲームと一緒にダメージを抑えたアンダーゲームをちゃんと紹介すれば、分けて考えることなくダメージを抑えることを理解し、色々なタイプのアングラーがフィールドのダメージを最小限に抑え共存できるのではないかと考えました。このまま、メディアで紹介される情報がフロッグゲームのみになり、「別の釣りだから」という状況を作らないために、紹介しているワケです。(先に紹介した「でんでんまる」から遠く離れた、こんな環境の人達で、いまだに続けている可能性がある人たちにも、本やホームページを通じて声を届かせたいと思いました。)
実際本の中でも「アンダーでもPEライン」「プラグを使うならシングルフックで」など、雷魚に対するダメージを考えながら書いたハズです。「アンダーゲームは存在します。しかしやるならダメージを少なく」と言うメッセージを配信するために、紹介したつもりです。さらに、「フロッグゲームが楽しめる原始的なフィールドであえてアンダーを使って欲しくない」という意見も聞いたことがあるし、理解できるのでプラグを使うのに適した場所を限定して書いています。あれも、フロッグゲームがカバーで楽しめる場所であえてプラグを投げないように気を使ったものでもあります。(あるフロッグオンリーの有名アングラーにこの話をして、理解してもらえました。)
最低限のマナー(バーブレスフックにPEライン、やさしい雷魚の扱い、スポーニングの魚を狙わない)を守ってやっているつもりなので、どうか理解してください。
> 何処の用水や川でもフロッグで釣れる時期(短いところもあるが)があります。 たとえオープンでもフロッグで釣れるのにアンダー系を投げるんであれば益々ライギョを傷つけることになるんじゃないかな?
実は私は今シーズン、フロッグでしか雷魚を釣っていません。(何人もの人が、この事実を知っています)理由としてはあまり釣る時間が無いので「ここぞ」(ごみや藻。ウィードレスプラグが一番投げやすい)というポイントにフロッグを落とし込むのが一番効率のいい釣り方だからです。この釣り方は、特にアンダーの釣りしかしない人が多いポイントで有効です。クランクやバイブを使う人は「ここぞ」には投げませんから。(ごみや草の中にプラグは投げれないので)こう考えると、皆が皆アンダーを使えば、カバーの中にいる雷魚が傷つくことは無いことになります。そこでフロッグで釣る人がいたら「藻の中にいる奴まで釣ることは無いじゃないか」となりますよね?実際私は20年近くオープンエリアばかりのこの地域で雷魚釣りをしていますがこの地域ではアンダーの釣りが昔盛んでした。(先の説明のとおり)そこでフロッグの改造を覚えて、皆がやっていなかったごみや藻を狙う釣りをしたら非常によく釣れました。つまり、フロッグの釣りを覚えたために、今まで傷つくことがなかった雷魚が傷ついたのです。
先に書いたようにフロッグが雷魚釣りにとって最も効率的な釣り方と私は思っています。そして、アンダーしか使ったことが無かったときより明らかに多くの雷魚を釣って(傷つけて)います。(闇雲に下を引くより、明らかに効率よく釣れます。)
どちらの釣り方でもお互いとどかない魚がいて同じように魚を傷つけてしまいます。同じオープンエリアでも、フロッグに反応のよい状態の雷魚にアンダーのプラグを投げても釣れません。つまり、アンダーとフロッグは、時間的にもポイント的にも違う魚に口を使わせることであり、ダメージは等しいのではないでしょうか?
ダメージが同じならば、繰り返しになりますが、1つのフィールド(またはエリア)で釣る魚を1~2匹ぐらいにしてバーブレスフックにPEライン、やさしい雷魚の扱いを守り、雷魚のダメージを最小限に抑え釣りをすればどちらの釣り方の人も思い思いのゲームをし、尚かつ末永くライギョゲームを楽しめるのではないでしょうか?色々なタイプのアングラーが共存できる環境というのを「でんでんまる」は目指しています。
ひとつの場所(またはエリア)でアンダーで釣りまくられたためにスレてしまった。という状況があったとしても、先ほどから書いているように、一箇所でたくさん釣り、プレッシャーをかけるというのは「でんでんまる」の考え方とは絶対違います。そんなアングラーがいても私の考えとは違う人です。
釣り方の違うアングラー同士の雷魚に対するダメージは、釣りすぎないことで抑えようと考えているからです。
> 今年の春に海部郡の用水でフロッグでサイトフィシングをしていたら「でんでんまる」の常連に横から「タドポール」を投げられあたまにきました。フロッグで釣れるのに何故アンダーなのですか?
初めに書いたように、アングラーにはあらゆる種類の人がいて、見えないところで「ガツン」ときて、泡が立って...。というシュチュエーションが好きな人もいれば、森さんのようにフロッグの「ボフッ」が好きな人もいます。その人は、前者のパターンの人で自分の釣りをしていたのだと思います。
横から投げたというマナー違反を言っているのであれば、それは私の考え方ではないので「でんでんまる」は関係ありません。
> いくら「水を抜いた用水のライギョを救出」しても、あなたがたのやっていることは大きく矛盾している。
その他に、「でんでんまるが出来てごみをフィールドで捨てる子どもが減った」という意見を聞いたり、明らかにPEラインバーブレスフックを使う人は増やしたと自負しています。でんでんまるはこれからも雷魚のためになる行動を続けてゆくつもりなのでよろしくお願いします。
> 1年中バイブやクランクを引いているのはライギョゲームと呼べるのかな?
それは、アングラー一人一人の考え方じゃないでしょうか?「それがライギョゲームだ」という人もいるでしょうし「違う」という森さんのような意見もあるでしょう。
その意見が正しいとか間違っているとか、それは誰にも決める権利は無いのではないでしょうか?ですから私はこの意見に関しては、否定も肯定もしません。
(というかする立場じゃないので・・・。)
ということで、私の考えをまとめておきます。
最後に、森さんには理想の釣り方があり、それを分かって欲しいということで私に訴えたのだと思います。
しかし、私は小さな小さな釣具屋の一オーナーであり、それ以上でも以下でもありません。
当然、私が「右を向け」といえば、雷魚アングラーが右を向くという権力はありません。
ですから、こんな微力な私にメールを送るよりも理想の釣り方のホームページを作って紹介して、同士を増やしたり、違う考えのアングラーに森さんの理想を話して理解してもらったりする方法が一番だと思います。
ホームページを立ち上げた際は、リンクを張るなどの協力はいたします。
私がやろうとしていることは、PEライン、バーブレスフックを使用し、やさしく雷魚を扱うということを徹底して行い、雷魚を釣りすぎず、その結果あらゆるタイプの雷魚アングラーが共存できる環境を目指しています。それ以外ありません。
間違っても雷魚を必要以上に追い詰めてやろうとは考えていません。ですから、「8ポンドのラインを使っている奴がいた」「バーブ付きのルアーの奴がいた」「スポーニングの魚を狙っていた」などは、「でんでんまる」とは関係ないと判断してください。
長い文に最後まで付き合ってくれて有り難うございました。
今回は、「アンダーについて」という各地で繰り広げられている意見についてメールをいただき、非常に感謝しております。
またメールください。
森さんから、お返事をいただきました
丁寧なお返事有難うございます。私はパソコンを持ってなく前回は知人のパソコンからメールを送りましたのでエラーになったと思います。(今回もそのパソコンですが)私は岐阜市に住んでいる30代の会社員でライギョ歴は5年ほどです。前回はかなり辛口なことを書いてしまいましたが、その一番の理由はせっかくの休みにフロッグで釣りを楽しんでいたところ、横からタドポールを投げられたということです。(そのアングラーの車にDDMのステッカーあり) 確かに店長の言うとおり、釣り人個人のモラルはその人に任せるしかありません。私はでんでんまるに行ったことはありませんが(雷魚読本は読みました)これほどまでに雷魚のことを真剣に考えている店長の姿勢に感動しました。これからもずっと雷魚が釣れるようにおたがいに努力していきましょう。
(でんでん丸の返事)
お返事、有り難うございます。
森さんのメールをきっかけに「雷魚議会」と言うコンテンツができて、上のようにあらゆる意見がいただけたし、森さんとも理解し合えたので、この上ない収穫がありました!
きっかけを作ってくれた前回のメールと、分かり合えたことが理解できる今回のお返事ともども、感謝いたしております。
これからも「雷魚好き」という最も単純な共通点だけで、仲間として付き合ってゆきましょう!